長崎市教育委員会は4月から、不登校の中学生を対象にした「学びの多様化学校」を開設する。長崎県内では初めての取り組みで、市立桜馬場中の「分教室」として、市民会館に置く。不登校の生徒の選択肢の一つとして、関係者は期待を寄せている。(野平貴)
「学びの多様化学校」は、不登校の生徒の実態に合わせて特別な教育を行う学校で、文部科学省によって設置が認められている。市教委によると、通常の学校と比較して、授業数は2割ほど少なくすることで負担を減らし、体験活動にも積極的に取り組んでもらう方針だ。卒業すると全日制の高校に進学することもできる。
全国には昨年11月時点で公私合わせて59校あるが、長崎県内には今までなく、市は設置に向けた準備を進めていた。分教室は市民会館の2階研修室を改修した部屋を活用する。中学1~3年で定員はそれぞれ10人。市内在住者が対象。
市教委によると、市内の不登校の児童・生徒は2024年度は1170人(小学生470人、中学生700人)で、過去最多となった。担当者は「不登校生徒の中には勉強に取り組んだり、人とつながりたいと考えたりする意欲的な子どももいる。その機会を少しでも設けられれば」としている。
民間で教育支援に取り組む人からも期待の声が聞かれた。NPO法人「フリースクール クレイン・ハーバー」(長崎市)の理事長を務める中村尊さん(59)は、「学校以外の場所でも学びができる点で前進だ」と評価。一方で、「物理的に学びの多様化学校まで通えない生徒もいる。今回の設置を機に、より行政と民間が協力して社会的な自立につなげなければならない」としている。