なぜ不登校になったの?【佐藤さんの場合 #1】
取材
2017年07月10日
不登校サポートナビには、「元不登校の方から話を聞きたい」という声が寄せられることが増えてきました。そこで今回は、小学生から高校生まで不登校を経験したという佐藤さんにインタビューを行いました。
不登校の経験や、気になったことを全4回に渡って紹介していきます。
佐藤さん
女性・20代
中学生の時から完全不登校に。
現在は東京でひとり暮らしをしながら働いている。
不登校になったきっかけ
── 佐藤さんは、いつから不登校になったのでしょうか?
佐藤さん「はじまりは小学校の高学年だったと思います。学芸会などの出しものって、クラスで決めると思うんですけど、先生の前ではいい子ぶる子がいたり、決まったことに文句言う人がでてきて進まなかったりして、私キレちゃったんですよ。クラスみんなに。先生も巻き込んでモメて、先生が授業に出なくなったんです。それがきっかけでしたね。でも、その時は1週間くらい休んで、また行ったんですけど」
── 中学校ではどうでしたか?
佐藤さん「中学校では切り替えようと思ったんですけど、結局人の裏の顔が見えるのが嫌で、6月くらいから学校には行ってなかったですね。
表では『わかるわかる! そうだよねー』って仲良くしてるのに、裏では悪口を言うみたいな人が多くて疲れてしまったのと、いじめとかじゃないけど、人をバカにしてからかうのが当たり前みたいなクラスだったんです。だから、学校の人とは話も合わなかったしつまらなかった。居場所がない、という感じでしたね。
それで行かなくなったら、次第に行きにくくなった。そこから卒業までの3年間は、保健室にはたまに行っていましたけど教室にはずっと行っていないですね」
── 学校に対してはどんなことを思っていましたか?
佐藤さん「どうせ私を心配してるんじゃなくて、仕事だからでしょ? 不登校者がでると困るんでしょ? と冷めていましたね。信用してなかったんだと思います。保健室の先生はすごく優しいおばあちゃんだったので、なんでもってわけじゃないですけど、結構話はしてました。でも、仕事だからでしょ、っていう考えはずっとあったと思います」
── その後、高校には進学されたんですよね。
佐藤さん「はい。偏差値的に入れるギリギリの全日制高校に行きました。でもやっぱりクラスの子と話が合わないんです。ハブろう(※仲間はずれにしよう)よ! と言い出す女の子が出てきたりして面倒くさいし、殻にこもっていた時期だったからか、誰にも本音を言うこともなく、2ヶ月目くらいでまた怖くなって行かなくなりました。
あの時は、人が怖かったし、人に評価されるのもすごく怖かったんですよね。それで、結局高校は中退しましたね」
次回は不登校の時の親との関係、親に対しどう思ってたかなど、親子関係についてお話してもらいます。
このコラムの著者
きたざわあいこ
株式会社クリスク ライター
北海道出身。中学時代に約2年間いじめにあい不登校になりかける。高校では放送部に熱中し、その後大学へと進学。上京してはじめて、学校以外の居場所や立場の違う人と接し、コミュニケーションについて考えるように。現在は自分の経験を活かし、子供の悩みや進学に関する悩みについての記事を執筆。
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