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不登校になった時の親との関係は? 親にどう思ってた?【佐藤さんの場合 #2】

取材

2017年07月17日

不登校になると、基本的に子どもは自宅にいることになります。

「学校に行って進学して働く」が安全なルートとされている中、学校に行かずにほとんど家にいる自分の子を見て、心配、イライラ、諦め、不安など親もまた色々な感情と戦うこととなるでしょう。
子どもが行きたくなくても行かせた方がいいのか、行かせない方がいいのか。
行かないことを許す自分は甘いのではないか。

本当に色々なことを考えると思います。

今回は、中学・高校と不登校をしていた時の親との関係をテーマに、不登校経験者の佐藤さんに伺ってみました。

【こちらの記事もご覧ください】

なぜ不登校になったの?【佐藤さんの場合 #1】

不登校から変われたきっかけは? 【佐藤さんの場合 #3】

不登校後の今 学歴・仕事は何をしているの? 【佐藤さんの場合 #4】

学校に行けない理由を説明できない

── ご家族は何人ですか?

佐藤さん「父と母、私と弟の4人です。すごく仲がいいってわけじゃないけど特に悪くはなかったですね」

── 佐藤さんが中学1年生で不登校になった時、家族はどんな反応でしたか?

佐藤さん「母親はどうしたらいいか分からなくて、職場で泣いたりしちゃってたみたいです。周りにも不登校の人がいなくて、いっぱいいっぱいだったんだと思います。
父親は仕事が忙しくてあまり家にはいなかったんですけど、会社を休んで家にいてくれた時もありました。でも私が娘だからか直接聞いてくることはなくて、母親に『どうなの?』って聞いていたと、後に母に聞きましたね。
逆に弟は、私の不登校にはおかまいなしって感じで、普通に友達を家に呼んだりしていました。私はそれが嫌でよくケンカしてたんですけど、弟は『なんでお前のお姉ちゃん学校こないんだよ』とか学校で言われてたみたいなので、嫌な思いもさせてたと思います」

── 学校に行け、とは言われませんでしたか?

佐藤さん親には、とにかく学校に行けって毎日言われてましたね。その時は、学校の先生も毎日家にきて説得されていたんですけど、当時の自分は、自分でもなんで行けないのか分からなくて『学校に居にくい』とか『学校がいやだ』と適当なことを言っていました。
なんて言ったらいいのか、その言葉がわからない。だから説明もできなかったです」

── 自分でもどう説明していいかわからなかったんですね。では、学校に行ってないときは何をして過ごしていましたか?

佐藤さん「基本的にはずっと家にいましたね。家の中では普通に活動していたんですけど、田舎なので、出掛けてどこかで友達に会ったりするのが嫌だったので。なんで学校行ってないのに外にいるの? とか聞かれると嫌じゃないですか。だから、家で毎日テレビを見てました」

 

学校に行けない自分は、どうしようもない大人になるの?

── 高校では、入学2ヶ月後からまた不登校になったということでしたけど、この時ご両親はどうでしたか?

佐藤さん「半分諦めてたところもあるかもしれないけど、『ああ、また行けなくなっちゃったか』という感じで、受け入れてくれてたと思います。ひどく怒られたりはしなかったですね。
ただその時は、学校に行けない=就職できない、このままひきこもりになるのか? という恐怖でいっぱいで、親にありがたいとか感じる余裕はありませんでした。この先どうしようって、将来の不安しかなかったです。
そのころは、テレビでちらほらと不登校って言葉が出てきたくらいで、不登校って実はいっぱいいる、というような情報もなかったから、自分はどうしようもない大人になるのかなとすごく不安でした」

── では、不登校をしていて一番辛かった時はいつでしたか?

佐藤さん「中学1年生の、親に殴られたりしてた時ですね。無理やり学校に引っ張って行かれて、親もいっぱいいっぱいなんだけど、私も行きたくなくて抵抗してました。その時は、何度か自殺も考えたりリストカットしたりもしていて、そのときが一番辛かったです。
でも、このときのことは毎日が同じことの繰り返しだったので、あんまり覚えてないんです。ただ死にたいって思ってたことしか覚えてないですね

次回は不登校から変わったきっかけについて紹介していきます。

このコラムの著者

10659245_826332387430680_221170377865295565_nきたざわあいこ

株式会社クリスク  ライター
北海道出身。中学時代に約2年間いじめにあい不登校になりかける。高校では放送部に熱中し、その後大学へと進学。上京してはじめて、学校以外の居場所や立場の違う人と接し、コミュニケーションについて考えるように。現在は自分の経験を活かし、子供の悩みや進学に関する悩みについての記事を執筆。