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『なんで殴るんですか』 私は体罰を受け不登校になりました

中学生

2018年11月6日

近ごろ、権力を利用したセクハラやパワハラのニュースが絶えません。学校で起きる教師や部活指導者からのハラスメントや体罰問題が、メディアで取り上げられる機会も増えてきました。

最近でこそ、こういったことが「問題」として大きく報道されるようになりましたが、数十年前には体罰は当たり前のように行われていました。
しかし、当たり前だからといって、暴力が生徒の心や人生に大きな影響を与えないということはありません。

「先生に、胸ぐらを掴まれて無理矢理立たされました。そして、分厚い本を丸めて頬をばんっ、と殴られたんです。私はたぶん『なんで殴るんですか』みたいなことを言ったと思うんです。そしたら、無理矢理教室から出されて、職員室に殴られながら連れて行かれました」

そう語るのは、中学校での体罰により不登校になったという、めぐさん。
体罰をきっかけに、自分の人生は『レールから外れてしまった』と言います。

お前、大人をなめてんのか

めぐさん御本人

めぐさんが中学1年生の5月。まだ中学校という場所にも、クラスに対しても様子見期間であるこの時期に、事件は起こりました。

その日は音楽の授業が自習となったため、生徒は課題に取り組むことに。音楽委員であっためぐさんは、クラスメイトから質問されたため自席で後ろ向きに座りながら説明をしていました。

そのタイミングで見回り役の教師が教室に入ってきたのです。

「お前、何やってるんだ」

「後ろの子に質問されたので教えていました」

「なんだと? 立て」

「なんでですか?」

そのやり取りのあと、めぐさんは胸ぐらを掴まれ、本で頬を殴られ、職員室に連れて行かれました。

「私は職員室に連れて行かれても、下を向いて泣きながら、ずっと『殴られた意味がわからないです』と言ってたんですよ。そしたらそのとき職員室にいた先生4、5人から、『お前、大人をなめてんのか!』と口々に怒鳴られました。たぶん30分から1時間くらい。次の授業が始まるまで怒鳴られ続けていましたね。その次の日から私は学校に行かなくなりました」

事件後、めぐさんのお母さんが学校へ抗議をしに行ったそうです。

「そういう指導期間だったので」と言う学校側に対してお母さんが怒鳴ると、教師何人かが来て謝罪をしました。しかし、結局めぐさんを殴った教師は一切出てこなかったといいます。

学校には行きたくないけど行かくちゃいけない

中学校時代のめぐさん。めぐさんを心配してくれていた1人の教師により、文集に写真が掲載された。

殴られたという事実だけではなく、クラス全員の前で殴られたこと、大人である教師全員が怒鳴るだけで話を聞いてくれなかったこと、担任の教師からも「お前の言い方が悪かったんじゃないか」と責められたことなど、ショックな出来事が一度に降りかかり、めぐさんは学校に行かないことを選択しました。

「先生に謝ってほしい、分かってほしいという気持ちがあったので、反抗の意味で学校に行かないっていう感じでしたね。私の場合は」

そんな中で、彼女を守ってくれたのはやはりお母さんでした。

「うち母子家庭なんですけど、母親は無理に行かせようとはしなかったです。ただ、私自身に学校には行きたくないけど行かなくちゃいけないっていう葛藤があったので、いらいらしてしまって。母親に八つ当たりしてしまったこともあったと思いますね。それでも母親は、怒ったりせずに一生懸命理解しようとしてくれていました」

めぐさんが学校へ行かなくなったあとも、一切対応が変わることがなかったというお母さん。お母さんの慌てている様子を見せない態度に、めぐさん自身も安心感を持てたそう。

学校へは行かなかったが、林間学校など課外活動に参加することはあったという。写真はそのときのもの。

昼間は家に居て、好きなアーティストの曲を聞きながら過ごす。息が詰まったら、近所を自転車で散歩する。時々友達に会いに放課後の学校へ行く。

そんな不登校生活で、一見気ままに過ごしているようにも見えたであろう彼女も、心の中は複雑な想いを抱えていたと言います。

「将来に対する不安も子供ながらにありましたし。でも楽しいことに逃げたい気持ちもありました。いろんな感情がありましたね。友達がどんどん先に向かっていってしまって自分だけ取り残されたような、焦りのような気持ちもありました」

学校からは、特に学校へ来るように促されることはなく、たまに学校に行っても、髪を染めているめぐさんに声をかける教師はいませんでした。

(後編へつづきます)

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このコラムの著者

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株式会社クリスク  ライター
北海道出身。中学時代に約2年間いじめにあい不登校になりかける。高校では放送部に熱中し、その後大学へと進学。上京してはじめて、学校以外の居場所や立場の違う人と接し、コミュニケーションについて考えるように。現在は自分の経験を活かし、子供の悩みや進学に関する悩みについての記事を執筆。