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子ども・大人・外国人が一緒に学ぶ 「夜間中学」ってこんなところ

教育機関を知る

子ども・大人・外国人が一緒に学ぶ 「夜間中学」がいま注目されるワケ

「夜間中学」という学校があることをご存知でしょうか?
正式な名前は「中学校夜間学級」。公立中学校の夜間学級のことを指し、中学校を卒業していない15歳以上で、学びたいという強い気持ちがあれば、誰でも入学が可能です。

もともと夜間中学は、戦後の混乱期に中学卒業を待たずして働かなければならなかった人や、経済的な理由から昼間の中学校に通うことが困難だった人、本国で義務教育を修了できずに日本で暮らしている外国籍の人などが、義務教育を受けられるように、と設置された学校でした。

しかし最近では、不登校などの理由で中学校に通えなかった人たちの“学び直しの場”としての役割も期待されてきています。このような理由も影響してか、現状の8都府県25市区のみの設置(平成26年5月時点)から、平成27年より「少なくとも各都道府県に1校は夜間中学を設置できるよう支援を行っていく」という発表が文部科学省からされています。

このように、ニーズは高まっているものの、あまり学校の内容は知られていない夜間中学。そんな夜間中学の制度や学校生活はどのようなものなのかを紹介していきます。

夜間中学ってこんなところ

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学習や授業はどんな風に行われる?

一般的には平日の夕方から夜にかけて、公立中学校の教員が1日4時間程度の授業を行い、教科書は昼間の中学と同じものを使用します。

不登校などが原因で、通学や勉強に不安を抱えている人も多く在籍している夜間中学では、生徒の学力に合った教科書を用意したり、勉強の進度でクラス分けをしたりするなど、一人ひとりの学力レベルにあわせた授業が行われます。また、日本語が不得意な生徒のため、日本語指導の先生や通訳の人がサポートをしてくれる学校もあるそうです。

毎日の学校生活や行事ってどんな感じ?

学級活動や掃除の時間などをはじめ、運動会や文化祭、遠足、修学旅行などの季節行事も昼間の中学校と同じように行われます。学校によっては給食を実施している場合もあるそう。

どんな生徒が通っているの?

平成26年5月に文部科学省が実施した「中学校夜間学級等に関する実態調査」(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/yakan/)によると、15歳以上の各年代でそれぞれ約13~15%ずつ在籍しており、幅広い年代の人が通っていることがわかります。
生徒は8割が外国人となっているほか、近年は不登校を経験した生徒も多く入学しているようです。

なお、入学目的については「読み書きの習得」が最も多く、27.1%。中学校教育の修了が17.7%、高等学校への入学が9.8%、職業資格の取得が1.8%と、さまざまな目的を持った生徒が在籍しています。

卒業する条件や規則はあるの?

夜間中学を卒業するためには、原則として週5日間、3年間の通学が必要となります。中学校に途中まで在籍していた場合、2年生以上の学年から入学できる可能性もあります。

義務教育なので授業料・教科書代は必要ありません。ただし、一部の教材費や給食費、遠足や修学旅行等の費用が必要になる場合もあります。

まとめ

不登校児童の増加や、生涯学習を推進する動きが高まっている中、夜間中学の需要はなくならないでしょう。

なお、すでに中学校を卒業している人が夜間中学への入学を希望する場合でも、市区町村の教育委員会による出席状況の確認などを行うなどして、個々の事情に対応してくれるそうです。

学校によっては授業見学・体験授業を実施しているところもあるため、「夜間中学」への入学を検討される方は、まずは、お近くの夜間中学やお住まいの教育委員会に相談してみてはいかがでしょうか。

【参考:夜間中学の設置・充実に向けて(手引第2次改訂版)【pdf】

このコラムの著者

futouko-navi-logo不登校サポートナビ 編集部