不登校サポートナビ

Home>不登校の原因・対策解説ノート > 教育機関を知る > 家庭教師が不登校のサポートになる理由とは

家庭教師が不登校のサポートになる理由とは

教育機関を知る

2014年12月12日

「家庭教師」といえば、小・中・高校・大学に入るための受験対策や、特に分からない部分の勉強を教えてもらうために利用する、というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

しかし最近では、不登校やひきこもっている生徒に対して、学習指導を行っている家庭教師が増えてきています。
大手の家庭教師派遣会社でも、専任の講師や不登校のための枠を用意して対応するなど、利用の間口が広がってきています。

家庭教師とは

家庭教師という不登校の強いミカタ

生徒の自宅を訪問して学習指導するのが、家庭教師の基本内容です。
個人指導になるため、学校や塾などの集団授業とは違って、一人ひとりに合わせたペースや勉強方法で学習が可能なのが大きな魅力といえます。

また、家庭教師が教えるのは、勉強だけではありません。
目標の立て方や、それに向けてのスケジューリング、分からないところがあった時の調べ方など、いつでも教えられる訳ではないからこそ、子ども自身が勉強をするために必要なことも教えてくれます。

その他、分かりやすいテキストを紹介したり、適切な宿題を出したりなど、単純に「勉強を教える」だけではなく、学習全体のサポートを行ってくれるのが、家庭教師の役割です。

家庭教師が不登校生と相性がいい理由

周囲を気にしなくていい環境で勉強ができる

「こんな質問をしたらバカだと思われるかも…」「他の人の前で質問するのは恥ずかしい…」という不安から、学校での授業では、わからないところを聞くことができずに、勉強についていけなくなることがあります。
こんなふうに周囲を気にしてしまう子どもでも、家庭教師ならば自分の自宅という空間で、1対1の関係であるため、気軽にわからないところをわかるようになるまで質問することが可能です。

とくに、不登校やひきこもり、高校中退を経験している子どもには、集団授業に苦手意識を持っているタイプも多いため、他の人の目を気にする必要がない環境の下、自分に合った指導をしてもらえる家庭教師は合っているといえるでしょう。

自信を取り戻すきっかけになる

家庭教師は、学校とは違って1対1の関係であること、毎日会わないことなどから、程よい距離感で接することができる、家族以外の第三者となります。
そのため、信頼関係ができてくると、子どもは家族には言いにくい気持ちを打ち明けられることも多いようです。
こうした存在との定期的な接触は、不登校やひきこもりの子どもにとって、社会性の回復や精神的な変化にも効果が期待できます。

不登校生やひきこもり、高校中退者の中には、自分に自信を持てなくなっている子どもがたくさんいます。それが、家庭教師の指導を受ける中で褒められる機会などが増えてくると、「家族以外の人から褒めてもらえる」という、ある種の成功体験になります。
それを繰り返すうちに、次第に自信を取り戻していけるといったケースも少なくありません。

第三者の視点から家族の相談相手になる

不登校の子どもを持つ保護者にも、不安や悩みがつきものです。
家族だけで悩んでいると、悩みはさらに深くなり、家庭内の空気も暗くなってきます。そうなると、子どもは家庭内でも居心地が悪くなり、家族とのコミュニケーションも少なくなっていく可能性があります。

そこで、家庭教師という第三者の視点が家庭内に入ることにより、家庭と社会との接点ができます。また、不登校指導を専門にしている家庭教師であれば、経験や実績、持っているノウハウから、家族の良き相談相手になってくれるでしょう。

家庭教師を雇うために必要な学費や教材は?

保護者の立場からすると、かかる費用は安ければ安いほどありがたいもの。
しかし、子どもが置かれている状況、性格、学習レベルに合った指導 が実現されなければ、無駄にお金を使ってしまうだけということにもなりかねません。
月々の費用は、会社や個人によっても変わるため、ここではおおよその金額をおさえておきましょう。

<費用の目安>※塾と家庭教師の比較

■個人の家庭教師(週1回/1教科)――――10,000~30,000円
■家庭教師派遣センター(週1回/1教科)―30,000~40,000円
■個別塾(週1回/1教科)――――――――40,000円前後
■大手進学塾(週3回/3教科)――――――30,000~40,000円
■小規模学習塾(週2回/2教科)―――――15,000円前後

この他にテキスト代が別で必要な場合もあります。

おわりに

不登校やひきこもりといっても、勉強をする必要がないわけではありません。しかし、1人で勉強することが難しい場合は、家庭教師という選択肢を利用してみることも、方法の1つです。
子ども自身が勉強を嫌っていても、家庭教師の先生とお話することで、心が軽くなったり、勉強以外のことだとしても、色々なものに興味を持つきっかけを与えてくれる可能性もあります。

そのほか、同級生とは違う立場の友人として支えとなってくれるほか、家族にとっても子どもとの間に入ってくれる人の存在は大きなものです。

家庭教師を雇うには少し費用がかかってしまいますが、試してみる価値はあるのではないでしょうか。

このコラムの著者

futouko-navi-logo不登校サポートナビ 編集部