サポート校を利用して不登校からの復学を
教育機関を知る
通信制高校への進学や転入を考えるときに、あわせて考えたいのがサポート校の利用です。
サポート校は、まだあまり知られていないため「通信制高校とは何がちがうの?」「通信制高校に通うだけじゃだめなの?」といった疑問を持つ方も多いかもしれませんが、とくに不登校から通信制高校を考えている人にとっては、一度考えてみても損はない機関です。
サポート校の役割
サポート校とは、通信制の学習をサポートする民間の教育機関のことです。専門学校や予備校、学習塾などが母体となっていることが多く、それぞれの特長を活かした教育支援を行っています。
通信制高校は自分のペースで学習できる”自由”なところがメリットであり、デメリットでもあります。強い意志や自己管理能力がなければ、自分の力だけで、最短の3年間で高校卒業資格を得るのは難しいのが実情。そこで有効なのが、サポート校の存在です。
サポート校は、通信制高校在籍の生徒が3年間で確実に高校を卒業できることを第一の目標に掲げています。さらに、不登校生や高校中退者、学力不振者などへのきめ細やかな指導は一定の成果を上げていて、転入・編入生の受け皿になっている場所でもあります。
なお、注意したいのはサポート校のみでは高校卒業資格は取得できない、ということです。
サポート校が提携している通信制高校にも同時に入学し、実際の卒業資格は、その通信制高校で取得することになります。
楽しい学校生活
サポート校の生徒には、小・中・高校のいずれかの時期にクラスでいじめや疎外されるなどを経験し、人間関係に自信を失くした生徒や、学校生活を苦痛に感じ、不登校になってしまった生徒も少なくありません。
こうした生徒たちが社会に復帰することができるように、とけこみやすい少人数制クラスの導入、将来の目標を見つけやすい多彩なコースの設置、少しずつ登校日を増やす登校準備期間を設けるなど、 サポート校ではさまざまな工夫を行っています。
これには、生徒それぞれの事情に配慮し、個性を尊重することで、楽しい学校生活を送ってもらいたいという狙いがあります。
学生生活を楽しむ上でかかせない、文化祭や修学旅行を、サポート校が中心となって開催されている場合も多いようです。
通学スタイル
サポート校の多くは、全日制高校と同じように週5日登校するスタイルを採用しています。ただ、授業開始時間は午前9時30分前後と、全日制高校に比べると遅めのスタートが特徴。
サポート校に通う生徒の中には、登校に不安のある生徒も少なくないため、朝の通勤・通学のラッシュ時を避け、時間にゆとりを持つことで精神的な負担を軽減したいという目的があります。
また、最近ではコースが選べるサポート校も多くなっており、週1回のみ、週3回、など、費用や体調にあわせてコースを選ぶことが可能となっています。
授業内容はいろいろ
サポート校の授業は学校によってさまざま。通信制を卒業するのに必要なレポート作成を行う授業を基本に、不得意科目を補う指導や、学校独自のコース別授業などを行います。午前中の時間を通信制の学習に当てて、午後からをコース別授業に当てるという形が多いようです。
全日制の一斉授業とは違って、それぞれの学習レベルに合わせた少人数制の指導によって、基礎学習から学びなおすことできるため、学習の遅れを心配している生徒でも、安心して課題を進めることが可能です。
また、設置コースは、スポーツ、音楽、芸能、福祉・・・など、学校ごとに多様なコースが用意されています。更には、資格取得や各種検定試験の受検に役立つレッスンがある場合も。
メンタルサポートの充実
いじめや不登校などが原因で心に傷を追った生徒が通いやすい環境にするため、精神面のフォローに力を入れているサポート校も多数あります。
全日制と比べて、先生と生徒の距離が近いことで相談しやすい環境を作っていたり、専門のカウンセラーが常駐し、直接カウンセリングを受けられるなど、安心して学校生活を送れるように工夫されています。
サポート校に入るには
サポート校では、生徒を受け入れる段階での学力をほとんど問題にしていません。
塾や予備校が母体のサポート校ならではの学習指導と、生徒の努力があれば、 勉強の遅れは入学後でも十分に克服できるからです。
不登校生でも高校中退者でも、真剣に学習に取り組む姿勢を持っているかどうかが重視されます。
どれくらいの学費がかかる?
入学金を含め、だいたい年間100万円前後が多いです。といっても、サポート校によって差があったり、生徒一人ひとりの状況によって違う場合が多いので、気になる学校には相談してみるのがスムーズです。
別途、通信制高校の学費が必要なケースが多い点にも注意しましょう。
このコラムの著者
不登校サポートナビ 編集部
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