ひきこもり女子会と公開編集会議に潜入! ひきこもりUXフェスVOL.2 レポート②
取材
2018年03月22日
2018年2月25日、東京都・青山にて「ひきこもりUXフェス VOL.2」が開催されました。
このイベントは、元・ひきこもり 元・不登校の経験を持つ数名で構成された「一般社団法人ひきこもりUX会議」が、固有の体験を持つ当事者一人ひとりが集まる場所として開催したものです。
プライバシー保護に配慮され、セグメントされたコミュニティでの交流ができるなど、当事者ならではの気遣いにあふれたこのイベント。
今回は、取材が許されていた「ひきこもり女子会」と「不登校新聞&ひきポス 編集会議」の様子をレポートしたいと思います!
同性だから話せることもある ひきこもり女子会
ひきこもり女子会は1部と2部に分かれています。1部ではひきこもり経験者の方の体験談を聞き、2部ではテーマ別交流会、ということで別々のテーブルを囲み交流します。
1部には当事者以外も参加可能ですが、2部は当事者のみの参加可能で、当事者に配慮された二部制となっています。不登校サポートナビは、1部のみ参加させていただきました。
1部の参加者は40人ほど。開始時間とともに二部制であることや、参加者の体験談などをSNSなどに書かない、などのルールを説明されてからスタートとなりました。
「不登校のきっかけは性被害にあったこと」冒頭にそう語った登壇者のAさん。当時の心境や、周りの大人に話したときの反応、その後結婚したものの仕事で頑張りすぎて倒れてしまったこと、精神病の薬との付き合いかたなど、リアルな体験談に参加者は耳を傾けました。
不登校・ひきこもりといっても、男女の差や置かれた環境の違いがあるもの。この場にいる全員が女性だからこそ、安心して聞くことができたのではないでしょうか。
1つのテーマを掘り下げる 不登校新聞&ひきポス公開編集会議
NPO法人全国不登校新聞社が発行する「不登校新聞」と当事者・経験者の声を発信するメディア「ひきポス」が、普段記事を生み出すために行っている編集会議。それを、公開で一般参加者も巻き込んでやってみようという企画が開催されました。
こちらも部屋半分で、撮影されてもOK・NGが分かれていました。
部屋には男女半々、10数名が集まり編集会議がスタート。「家は快適空間ですか?」というテーマで、参加者それぞれが自分の気持ちや状況を発表し合うことから始まりました。
参加者の意見は…
- 実家から出たらひきこもりではなくなった。家は親との関係が悪く快適ではない。
- 本当は実家から出たいけど、お金がないので無理。家は快適ではない。
- 親がいない時は快適だけど、帰ってくると自室にこもるので快適さは半々。
- 実家は食事など物理的には快適。でも精神的にはひとり暮らしの方が快適。
- ひとり暮らししたいけど、自分にできるのかと不安。家は快適と言わざるを得ない。
- 家族は自分のことを理解してくれるし、一緒に住むなら家族しかいない。家は快適。
など、さまざまな意見が出ました。
その後、「ひとり暮らしをしたいけど、金銭的に無理という人も多い。実家でも快適な時もあるなら、その時間を伸ばせないか?」というような方向に話がシフトしましたが、少し話し合った時点で残念ながらタイムアップ。
しかし、自分が感じていることを他者と共有したり、また自分とは違う他者の気持ちを聞くことで、思考が整理されたり、見ないようにしていた自分の気持ちや願望に出会えるように感じました。
次回は、ホールでのトークセッションについてお届けします!
リンク)
一般社団法人ひきこもりUX会議
このコラムの著者
不登校サポートナビ 編集部
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