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「勉強が一番」から挫折し不登校に【大瀧さんの場合 前編】

高校生

2017年10月16日

「高校で海外留学した」そう聞くと、なんだかすごい人という目でその人を見てしまう。
このサイトを見て、直接メールをくれた大瀧さんも、そんな“なんだかすごい人”の1人だ。

大瀧真優さんは、現在大学生として国立大学の国際学部に通っている。
「不登校だった自分の過去を話したかった」
そう柔らかな口調で話す彼女は、一体どんな理由で不登校になり、何がきっかけで留学という決断をしたのだろう。

前編であるこの記事では、大瀧さんが不登校になるまでと、その間に何を思っていたかを聞きました。

なんで私、こんなにつまらないんだろう?

大瀧さんは、努力して進学校の高校に入学した。

しかし、進学校ともなれば周りも勉強が得意な子が集まるようにできている。みんなが部活や友だち関係に勤しむのを尻目に、優秀な成績をキープするため、大瀧さんは勉強に集中した。

「学歴主義みたいに、中3の受験期をきっかけになってしまって。学歴があれば人生がうまくいくと思ってたんです」

しかし、そんな彼女の価値観は崩されることになった。

「勉強から一息ついたとき、周りの人を見たら、すごい高校生活楽しそうじゃん、って思ったんです。なのに、なんで私こんなにつまらないんだろう? って。そこで、自分には友だちがいないって気づいたんです」

高校に行くのは勉強するため。それは大前提だろう。
しかし、勉強ができない者の言い訳かもしれないが、大人になった今、公式や英語の構文なんてほとんど覚えていない。
覚えているのは、友だちとくだらないことで笑い続けたことや、友だちに彼氏ができて微妙な関係になったこと、部活で顧問とモメたことなど、取るに足らない思い出たちだ。

そんな“勉強以外のものたち”が、勉強が一番だった彼女を、突然寂しさの中に突き落とした。

さらに彼女は「人生が終わった」と思うような体験をする。
それは、男子の比率が8割という授業中に体調が悪くなり、大きなオナラをしてしまうというもの。
生理現象だからしかたない。そうは分かっていても、考えただけで恥ずかしくてその場から動けなくなってしまうような出来事だろう。ましてや、彼女は女性で高校生。トラウマを抱えるには十分だった。

「それから常にオナラが出るんじゃないかっていう恐怖で、過敏性腸症候群や、適応障害と診断されるようになりました」

ずっと落ち着いたトーンだった彼女の声が、少しだけ低くなった。

天井をずっと見てました 「しみがあるなぁ」みたいな

「体調も気持ちもしんどくて、朝が起きれなくて遅刻したりしながらも毎日学校に行ってました」という大瀧さんも、ついに高校2年生の6月、完全な不登校状態になる。

両親は無理に“学校にいけ!” とは言わなかったものの、彼女を布団から叩き起こすなど実力行使に。一方の大瀧さんも布団にこもるなど、お互いせめぎ合いが続いていた。

「不登校中は天井をずっと見てました。しみがあるなぁみたいな」

笑顔でそう語る彼女だが、その時天井を見ながらいったい何を考えていたのだろう。

「ずーっと人のせいにしてました。環境とか、高校でうまく行かなかった原因とかも、友だちとかに押し付けたり、親にも恨むような気持ちがあったりとか。だからずっとイライラしてた気がします

勉強しろとは言われなくても、親から“大学に行って欲しい”という気持ちや、勉強しなよという空気を強く感じていたという大瀧さん。

無言のプレッシャーは、自主性を求められるがゆえに、どこまでを目指せばいいのか、自分はどうしたいのか、迷ってしまうことがある。低い目標を言えば、がっかりされるのでは。高すぎれば、達成できなかった時がっかりされるのでは。「できない」「やりたくない」と言えば、がっかりされるのでは。

大瀧さんも期待に応えられるうちは、そんな自分に誇りを持っていたのかもしれない。

しかし、うまく行かなくなったときに「できない自分」を認めるのは、期待に応えてきつづけたきた人にとって、とても難しいことなのではないだろうか。

「不登校になって、地元にある夜間の通信制高校に移ろうかなって考えたんです。でも母親が世間体を気にして行って欲しくなさそうだったし、自分もプライドがあって。
たくさん勉強して進学校に通ってた自分が、レールから外れた。通信制は社会から受け入れられない道なのでは? と思って選びたくなかった。高卒認定も、うつ状態でやる気もなかったので、考えられませんでした」

転校しようとは考えた? という問いに、彼女はこう答えた。

後編では、大瀧さんが海外留学に行ったことと、今不登校について思うことをお聞きしました。

 

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このコラムの著者

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株式会社クリスク  ライター
北海道出身。中学時代に約2年間いじめにあい不登校になりかける。高校では放送部に熱中し、その後大学へと進学。上京してはじめて、学校以外の居場所や立場の違う人と接し、コミュニケーションについて考えるように。現在は自分の経験を活かし、子供の悩みや進学に関する悩みについての記事を執筆。