不登校からITの勉強をはじめられる! 明聖高等学校・中野の新キャンパスに行ってきた
取材
2017年02月16日
千葉県初の私立通信制高校として、2000年に開校した明聖高等学校は、これまで数多くの卒業生を輩出してきました。全日コース、通信コース、WEBコースがあり、自分の状況に合わせて登校頻度を選べるところが、生徒からは人気なのだそう。
特にWEBコースでは、生徒間のコミュニケーションは、自身のアバターやチャット機能を使い、学習は動画授業で行う『サイバー学習国』が、日本初のバーチャルスクールとして話題となっています。
そんな明聖高等学校が、本校に続く2校目として中野キャンパス(東京都)を4月より開校することに。不登校サポートナビでは、いったいどんな学校なのかキャンパス長の花澤先生に伺ってきました。
中野キャンパスのエントランス。エレベーターを降りると、早速近未来感のあるオシャレな入り口に、気分も高まります。
どんな学校なの? 中野キャンパス長の先生に聞きました
明聖高等学校 中野キャンパス長
花澤 悟史 先生
担当科目 : 地理歴史科
不登校のサポート体制が充実してるって本当?
──明聖高等学校では、不登校生へのサポートはどのようなことをしていますか?
花澤先生 「教員のほぼ全員がカウンセリングなどの資格を持っているので、メンタル面の相談や発達障がいに関する知識が長けています。通学コースも毎日登校しないといけないわけではないので、一人ひとりの状況に応じて段階的な登校支援や個別対応、放課後対応などでサポートしながら、徐々に登校できるようになるのを見守っていますね」
キャンパス内には、先生と話したり、相談したりするときにも使えるミーティングルームが用意されています。もちろん生徒の勉強場所としても使えるそう。
──通学が困難な生徒(家から出ることに恐怖心がある生徒等)にはどのような対応をしていますか?
花澤先生 「どんなことからならできるのか、ゆっくりと時間をかけながら生徒と関係づくりをしていきます。小さいことの積み重ねで、その生徒の心の中には少しずつプラスになっていくと思うんです。だから、登校しなくてもいいWEBコースで、動画授業を見たり、そこでわからなかったことを先生にメールをして聞いてみたり、まずは自宅学習からはじめて、慣れたら登校するコースに切り替える※など、ゆっくり進んでいくことができますよ。何がその子のきっかけになるかわからないので、色々な方面からアプローチして、関係づくりができたらいいと思っています」
※年度変わりにコース変更が可能
──保護者に対してもサポートは行っていますか?
花澤先生 「親御さんが誰にも悩みを相談できず病んでしまうと、子どもが一時的にうまくいっても、また元の方向に戻ってしまうことがあります。そのため、保護者様向けの夜間保護者相談室を1週間に1度行っています。時間は18時から20時までなので、仕事後でも相談にきていただけますし、そのほかにも、不登校の生徒をもつ親同士が交流できる『親の会』や、保護者向けの講演会やセミナーを不定期に開催しています」
中野キャンパスならでは ITクラスで最先端の技術が学べる!
──中野キャンパスが、千葉にある本校と違う部分はなんですか?
花澤先生 「中野キャンパスには、『5日制ITクラス』と『3日制コース』があることが大きな違いです。ITクラスは中野キャンパス特有のクラスなのですが、ゲームプログラミング、映像編集、CGなどを実践的に学びます。登校回数は5日制となるため、全日制高校と同じように、毎日学校に来て学習することになります。一方3日制コースは、ゆとりのある登校日数ですので、無理のないペースで登校し学習をすすめていったり、趣味やアルバイトをしたりと、学校以外の活動とも両立しやすい環境になっています。他にも、本校にもある『5日制一般クラス』と『WEBコース』を選んでいただくこともできますね」
──ITクラスでは、パソコンをはじめ最新設備が整っているということですが、具体的にはどのように学んでいくのでしょうか?
花澤先生 「例えば、サイバー学習国内にITクラスの生徒が作ったミニゲームなどを登場させたり、生徒達が機材を使って本校の先生の動画授業を撮影・編集したりと、当校のシステムを使って実践的な学習を行います。また、中野の地ならではのポップカルチャーが学べる多彩な特別講座(マンガ、イラスト、ファッション、アートなど)もあり、現役で活躍しているプロのクリエイターから学ぶ機会もたくさんありますよ」
キャンパス内には、最新機器が揃えられたコンピュータールームが。
Apple最新のMacパソコンが1人1台用意されているほか、テキストを映し出したり、タッチパネルで文字を書いたりできる70インチの電子黒板など、教育設備もイマドキ。ITクラスでは、主にこの部屋で授業を行うそうです。
学校生活は?友達はできるだろうか?
──中野キャンパスでは学校行事は行われる予定ですか?
花澤先生 「キャンプ、スキー実習、修学旅行、体育祭、文化祭、合唱祭など、色々なイベントを開催予定です。文化祭は中野キャンパス内で行われるので、中学生やその保護者様も、当校をのぞいてみたい方はぜひお越しいただきたいですね」
──イベントが多いと友達も作りやすそうですね。
花澤先生 「はい、学校のイベントを通して、教師も友達づくりをサポートしています。本校の方では、1年生のクラスだと、まだ学校に馴染めていない子が多いので、昼休みに教師が教室に入って生徒と一緒に食事をしていましたね」
8階は教室専用のフロアになっており、教室はA・B・C・Dと4タイプあるそう。この窓側の教室は気持ちが良さそうですね。
花澤先生 「当校では、1年次のゴールデンウィーク明けに、オリエンテーション研修という宿泊を伴った行事を実施しているのですが、グループで食事をとったり、話し合ったりと、生徒同士でコミュニケーションを取れる機会を作っています。最初のきっかけさえ作れば、あとは子どもたちでうまくコミュニケーションを取れるようになるんですよね。あとは、友人関係がうまくいかない・苦手な子はぎくしゃくしてしまうので、間に入って双方の思いや悩みを共有しています。生徒たちはそうやって成長していって、だんだんうまく友達をつくれるようになっているという印象です」
エントランスを入って右手にあるラウンジには、丸テーブルとソファ席が。お喋りしたり、ランチタイムを過ごしたりなど、友達との楽しいひと時が過ごせそう。
フカフカのソファエリアは、つい長居してしまいそうなオシャレさです。
──最後に学校を検討されている方へのメッセージをお願いします。
花澤先生 「明聖高等学校では、登校の支援や学び直しのカリキュラムもたくさん用意しています。高校の勉強についていけるか不安な方でも、安心して学べるサポート体制が整っているので、ぜひ1度遊びにきてみてください。アットホームで居心地がいいと思えるキャンパスづくりをして待っています!」
取材後記
一見学校とは思えないこだわりの内装は、中野ならではのポップカルチャーをイメージしたものだそうです。設備も充実していて、春からの高校生活が楽しみになってくるような空間でした。IT技術は、今後ますます発展していくだろう分野ですから、高校生の時から身につけられるというのは、大きな魅力なのではないでしょうか。
【取材協力】
明聖高等学校中野キャンパス
JR及び東西線 中野駅南口から徒歩2分
このコラムの著者
不登校サポートナビ 編集部
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