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期待に応えたい子どもと、親の理想とのズレが不登校を生むことも

小学生

集団の中に子どもが入るようになると、わが子と他の子どもとの関係が気になったり、わが子の成長を他の子どもと比べてしまうということが増えてくるでしょう。

わが子が褒められると自分の事のように嬉しく、子供が活躍する姿を目にすると誇らしく感じるのは、親として当たり前のことです。そして親が喜んでいる様子を見ることが、子どもにとっても嬉しいことであり、子どもは幼ければ幼いほど、親の期待に応えようと頑張ります。

では、反対の場合はどうでしょうか。

もしみんなが行くことができている学校にわが子が行けなくなってしまったら…?
他の子より元気がなくしょんぼりしているわが子の姿を目にしたら…?
その時に親が感じる気持ちを、子どもはどのように受け止めているのでしょうか。

子ども自身も気づいていない不登校の兆候

期待に応えたい子どもと、親の理想とのズレが不登校を生むことも

登校時間になっても起きてこない、お腹が痛いとぐずる、何度声をかけても叱っても動き出さない、朝食に手を付けようともしない、そんな姿にしぶしぶと休みを認めたが、登校時間を過ぎ、登校する子どもの姿が路上から消えた頃、我が子は次第に元気を取り戻してくる…。
不登校に悩む親御さんはそういった経験がおありかも知れません。

「あれはお芝居だったのだろうか?」「甘やかしたことが子どもをダメにしているのではないだろうか?」そんな釈然としない気持ちが湧き上がってきた方も、たくさんいらっしゃると思います。

しかし、一見元気に見える子どもの気持ちも、本当のところは子ども自身にしかわかりません。いえ、子ども自身にも、学校に行けない自分の気持ちがわかっていないのかもしれません。
ただ、“親の期待に添えない自分”というものは、子ども自身も感じ取っているのです。

学校は完璧ではありません

現在、日本の教育システムの中では、ベテランの教師といえども一人一人の子どもにじっくり付き合うことが難しい状況になってきていると言われています。 30人を超える理解度の違う子ども達を一斉に見て、更には生活態度にも気を配るということは並大抵のことではありません。そうしてつまずきは放っておかれ たまま、容赦なく学習は進んでいきます。

学習進度についていけず、教室の中でお客さんになってしまっている子どもの気持ちはどんなものでしょうか?
もちろん、勉強ができなくてもスポーツや友達を笑わせることが得意などの特技を持った子にとっては、学校は相変わらず楽しい場所であるのかもしれませんが…。

子どもに親としての理想を押し付けるのではなく、”子どもの気持ちまで一度降りていってみる”、そうした親の寄り添おうとする姿勢が、長い目で見れば、親子の絆を深く強くすることに繋がっていくのではないでしょうか。

このコラムの著者

堀江ミク堀江ミク

大学では教育学部において、中学校高等学校の美術教員免許を取得。子育ての悩みを抱える「非行」と向き合う親たちの会とつながり2006年「非行」と向き 合う親たちの会を設立。現在小学生向けの学習塾を開設するとともに、産業カウンセラー協会の養成講座で指導者としてカウンセリングの指導に当たる。