親の半分が知らない中1ギャップ、そのサインと親が出来ること
中学生
「中1ギャップ」とは、小学校から中学校へ入学した際、それまでとの環境の変化についていけず、いじめが起きたりや不登校になったりする現象のことを指します。
これは、小学校時代には元気だった、学校に楽しく通っていた、というお子さんでも起きる現象で、その時になってみないと分からない、という問題があります。
「中1ギャップ」について、ベネッセ教育情報サイトからこんなデータが出ています。
「中1ギャップ」という言葉の認知度アンケート結果】
2011/9/14~2011/9/20に、1,981人に中学生のいる保護者に行ったアンケートでは、「中1ギャップ」は中学生を持つ親にとっては常識というわけではなく、どうやら半数以上の親が知らないということが分かります。
ここでは、中1ギャップで注意したいことや、親ができることを紹介していきます。
なぜ中1ギャップが起きるのか
中学生がストレスを感じる場面としては、学習面、生活面の両方があります。
学習面では、小学校の時は、宿題や勉強も比較的簡単だったのに、中学になると授業もスピードアップ。先生も小学校とは違いそれぞれの教科で異なるため気軽に質問ができなくなる、などが重なり、分からない部分が増えていってしまう場合も。また、試験の結果に順位がつくということにストレスを感じる子供もいます。
一方生活面では、校則が厳しくなることの他に、クラスでのポジション、グループ形成など、小学校の時とは同じように行かない人間関係に疲れを感じる生徒が多いようです。
さらに部活などに入れば上下関係も厳しくなり、うまく立ち振る舞えないことで自信を無くしたり、仲間とうまく行かなかったりして悩みを抱えてしまうことも。
中1ギャップはどうやって見極める? 子供が発するサインとは
子供にこんな行動が見られたら、それは「中1ギャップ」のサインかもしれません。
- 朝、学校に行こうとすると体調が悪くなる
- 宿題や勉強の話をしなくなる
- 部屋に閉じこもりがちになり、親と話さなくなる
「中1ギャップ」は4月中にはすでに始まると言われています。思春期だから……と思うかもしれませんが、入学から1ヶ月程度でこのような変化が急激に訪れる場合は、少し注意してみる必要があるかもしれません。
なお、本人が辛いと思っていなくても、実は無意識に「中1ギャップ」で苦しんでいる場合もあります。実際に筆者も中学1年生のはじめ、順調だったつもりなのですがゴールデンウィークが明けた頃から1ヶ月間ほど毎朝胃が痛くなり、時には遅刻しながら通っていました。
親はいったい何が出来るのか
学習面、生活面でも1番のストレスは「他人と合わせることが多くなる」ことや「他人と比較して自分を評価される」ことです。親も「もう中学生なんだからしっかりやって欲しい」と思ってしまいがちですが、子供だって環境の変化は辛いもの。
中学に入ってしばらくの間は、家庭ではできるだけ子供の好きな話を聞き、 周りと比較したり成績のことで評価したりするのではなく、子供自身の良い部分を褒めるようにしてみて下さい。
また、子供が学校のことで不満や不安を口にしたら、アドバイスやお説教は一旦飲み込んで、最後まで話を聞いてみましょう。それだけでも、子供は親を信頼し、また話すことでストレスを発散させることが出来ます。
そして勉強面では、一緒に分からない部分を整理したり、個人塾などを検討したりすることも重要です。小学校の範囲の勉強が分かっていなかったとしても、早く気がつけば遅れを取り戻すのも早いので、「分からない」ことを叱るのではなく、どう取り戻すかを一緒に考えてあげると良いでしょう。
このコラムの著者
きたざわあいこ
株式会社クリスク ライター
北海道出身。中学時代に約2年間いじめにあい不登校になりかける。高校では放送部に熱中し、その後大学へと進学。上京してはじめて、学校以外の居場所や立場の違う人と接し、コミュニケーションについて考えるように。現在は自分の経験を活かし、子供の悩みや進学に関する悩みについての記事を執筆。
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