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子どもが不登校になった時、親は何をするべきなのか?

基礎知識

2014年12月5日

「子どもが不登校になった」と悟った時、いいしれぬ不安や疑問、怒りといった感情を親御さんは抱くでしょう。ですが、それを直接子どもにぶつけても、決していい結果にはなりません。

逆に、腫れ物のように接すれば、子どもにとってはプレッシャーとなったり、社会性を欠いていく原因となります。

では、子どもが不登校となった時、親はどのように対応していけばいいのでしょうか。

父親と母親がコミュニケーションを取る

子どもは、父親と母親がどんな関係か、どんな会話をしているかということを親が思うよりもしっかりと記憶しているものです。
喧嘩ばかりしていたり、夫婦間での会話がない、子どもに夫や妻の悪口を言う、という環境にいると、子どもは親のことを信頼できなくなっていき、ますます心を閉ざしてしまいます。

また、子どもが親に相談をしたとき、父親と母親が言っていることがあまりにも違うと、子どもは混乱し自分の行動を決めかねることになります。
子どもの将来について、夫婦の将来について話し合い、しっかりとコミュニケーションを取りましょう。

子どもの行動や言動を記録する

学校や、支援センター、カウンセラーに相談する際、子どもの気になる行動や言動をきちんと伝えることで、適切なアドバイスが受けられたり、注意して接してもらえるようになります。

行動には、子ども自身も意識していない不安や不満が表現される場合もありますので、子どもの気持ちを理解することにも役立てられるでしょう。

また、子どもの言動を記録することは、親にとって子どもの意見をしっかりと聞く機会となります。親の意見を押し付けたり、言葉を補ってあげてしまっては、「子どもの言動を記録する」ことになりませんので、子ども自身の言動にしっかりと耳を傾けてあげましょう。

勉強をする環境を用意する

不登校となった子どもがまず低下しやすいものが学力です。
学力が低下することで、「学校に戻っても勉強について行けないんじゃないか」という不安が増し、ますます学校から足が遠のいてしまいます。
更に、学校での勉強という大きな習慣がなくなるため、マンガやテレビを見て過ごす生活に慣れてしまい、夜更かしやひきこもりといった生活の乱れが加速していきます。

教室には行けないが、学校には行ける、という子であれば特別教室や保健室登校を。
学校には行きたくない、という子には、フリースクールへの登校や、不登校児のための塾の利用、家庭教師といったサポート機関を利用して、学習を継続できる環境を用意しましょう。

家庭での役割を与える

家族というのは一番小さな社会です。
外に出ることが困難だったとしても、まずはこの社会の中で、子どもが社会性を損なわずに生活をしていけるよう、些細なことでもいいので子どもにも役割を課しましょう。

例えば、食器洗いでも、洗濯物をたたむ、でもなんでもいいのです。
子どもが興味のあることがあれば、それを役割として任せてもいいでしょう。
例えば、お小遣い帳をつけるのが好きだったら、家計簿をまるごと任せてもいいかもしれません。料理が好きだったら、献立を考えるのを任せてもいいかもしれません。

任せるのと同時に、実際に子どもがやってくれたら「ありがとう、助かったよ」といった言葉をかけることも重要です。
また、子どもが出来ない日があったとしても、責めるのではなく「また今度お願いしてもいい?」といつでも頼りにしていることを伝えるようにしましょう。
自分は人の役に立っていること、失敗してもやり直せばいいことを少しずつ感じられる環境が大切なのです。

自立や学歴の重要性を伝え、選択肢を一緒に考える

不登校となり、ある程度の時間は子どもにも休息が必要でしょう。
しかし、何年もそのまま不登校を続けている間に、子どもは年を取ります。そして親ももちろん年を取るのです。

年齢順で言えば、親は必ず子どもより先に死んでしまいますね。
その前に、親が年金生活となれば子どもを養うほどの金銭的余裕がなくなる可能性も考えられます。

就職したり大学を出た人でも、再就職が大変な世の中で、30代、40代で職歴・学歴無しの人間が自立できるだけの収入を得続けることは、簡単なことではないと言わざるを得ません。

学歴については、求人サイトを見てみると分かりますが、大卒、専門卒、高卒、中卒でも求人数が大きく変わってきます。もちろん学歴が全てではありませんが、学歴は「あって有利になることはあっても邪魔になることはない」ものではないでしょうか。
こういった事実を親は子どもに伝え、どうしたらいいかを一緒に考えることで、子ども自身も考えるきっかけを得られるでしょう。

なお、家庭の金銭状況や、問題についての事実を元に条件を提示すること(「私立に行くなら奨学金を借りて欲しい」「実家にいるなら◯円は家に入れること」 など)は大切ですが、医学部以外はダメ、正社員以外はダメ、◯◯県以外はダメ、といった条件をつけることは控えましょう。

このコラムの著者

futouko-navi-logo不登校サポートナビ 編集部