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ニート・ひきこもりから脱出する! そのために行うべき3ステップとは

社会人

学校に通うようになったり、アルバイトや正社員として働くことができるようになれば、それはひきこもりやニートから脱出できたと言えるでしょう。

更に言えば、自分の生活を自分で支えられるようになり、周りと不都合が無いようにコミュニケーションが行えるようになることが自立であり、いわゆる「ニート」でも「ひきこもり」でもない状態だと言えます。

なぜ、ひきこもりやニートから脱出することが出来ないのか

ニートやひきこもり生活が長期化すると、社会的な時間感覚が失われるため、まず生活リズムがみだれます。
そして次第に人とのコミュニケーションがとれなくなっていきます。家族以外の人間と会話をしない、インターネットだけの人と対面しないコミュニケーションのみという環境がそれを助長するのです。
そして気力がなくなっていき、さらに生活がみだれるという悪循環に陥るようになります。

では、こうした状況を脱出するためには、まずどうすればよいのでしょうか?
自己啓発セミナーに行く、社会復帰支援を受ける、アルバイトを探すなど色々な方法がありますが、それが簡単ではないからみんな悩んでいるのですよね。

頑張ろうという気持ちはあっても、いきなり働いたり、学校に行くのはずっとひきこもりを続けていた身体や心にとっては大変な出来事です。
スポーツにもウォーミングアップが必要なように、少しずつ慣らしていかなくては、せっかく脱出を試みても、またひきこもりに戻ってしまったり、慣れないことに身体を壊してしまう可能性もあるのです。

ここではもっと簡単にできる、基本的な行動を提案したいと思います。

今日からできる脱出準備としての3つの行動

ニート・ひきこもりから脱出する

① 朝、最低でも午前中に起床しましょう

ゲームやネットサーフィンでの夜更かしや、特にすることがなくてもいつまでも起きていて気づいたら朝…というような、昼夜逆転の生活から抜け出しましょう。
昼夜逆転の状態が続くと、体内時計が狂い、精神・神経的なバランスが崩れやすくなるといわれており、なんとなくやる気が出なくなったり、体も弱くなりやすくなるのです。

朝、決まった時間に起きて行動を開始することは、仕事や学校への社会復帰のために、欠かせない条件です。
「眠れないから起きられない」という場合でも、1日徹夜して夜早く寝てみる、30分単位で徐々に寝る時間を早めるといった工夫をしながら、起きる努力をしてみましょう。

② 朝起きたら、清潔感のある格好に着替えましょう

着替えるのが面倒だから、どうせ自宅にしかいないから、といった理由で、一日中同じ服装で過ごしていませんか?

・コンビニに買い物に行くのも、布団に入る時も変わらない
・一日中パジャマやスウェットといった部屋着で過ごす
・数日にわたりお風呂に入らない
・ひげや髪が伸び放題になっている

こうした生活をしていると緊張感がなくなり、人や場所にあわせる社会性が失われてしまいます。そして、外に出ることに億劫になり、ますます活動範囲が狭まっていきます。

なので、朝起きたらまずは身だしなみを整えてみましょう。
お風呂に入り、ひげを剃り、洗濯された服に着替える。女性ならお化粧もいいでしょう。
どこか気分が晴れ晴れとして元気が出てくるはずです。

実際に外に出なくてもいいのです。
まずは身なりだけでも、「いつでも外に出られる状態」にしておくだけで、気持ちの準備もできてくるでしょう。

③ 上の2つを習慣にしましょう

早起きと身だしなみ。これを聞いて「なんだ、そんなことか」と思いませんでしたか?
ですが、その基本的なことを毎日続けることは意外と難しいものです。楽な方に逃げてしまう自分にブレーキをかけ、誘惑と戦わなければならないからです。

こういったことを習慣として身に付けることができれば、必ずあなたの自信につながるでしょう。

上の2つを習慣として行えるようになったら、少しずつ別のことにチャレンジしてみるのもいいでしょう。
例えば、洗濯物を干してみる、昼間に家の周りを散歩してみる、電話をとってみる、美容院に行ってみる、家族と話してみるなど、今まで出来なかったことが少しずつ出来るようになることで、自信と行動力も取り戻せるかもしれません。

社会で自立するとは? 生活力が基礎になる

生活をするためにはお金がかかります。
基本的には働かない人にお金は入りません。自分の好きなときに食べて寝るだけでは当然、お金を稼ぐことはできないのです。

お金を稼ぐとは、社会や会社のルールを守り、人から必要とされるスキルを提供することで対価を手にするということでしょう。
ですが、これを達成するためには、決まった時間に会社に行く、相手に不快感を与えない身なりやマナーで接するといった、基本的な生活習慣が身に付いていることが前提となります。

ポイントは、何も考えずにまずやってみること。
少しずつでも練習し、自信を深めていくことができれば、自分を変える一歩になるはずです。

このコラムの著者

星野有史星野有史

1963年さいたま市生まれ。ベーチェット病により17歳で光を失う。1993年明治学院大学大学院博士後期課程単位取得。1989年よりアイメイト(盲 導犬)と歩行し、看護・福祉の専門学校、短期大学等で講義を担当、同時に福祉教育活動家として執筆・講演に勤める。現在、「ハーネス・ウィ研究所」の代表 講師として、人間力育成セミナー(通信制フリースクール)・福祉講演会等、幅広い分野で活躍中。著書に「夢をくれた盲導犬」ポプラ社「しっぽのはえたパー トナー」法研「盲導犬ミントの子守歌」ポプラ社「盲導犬キースのヒト観察記」相川書房「これからの福祉心理学」(共著)北大路書房他がある。