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高卒認定とは?予備校を利用して不登校からの進学・就職を目指そう

教育機関を知る

2014年12月12日

不登校やひきこもりを続けている、高校を中退してしまった・・・ などの事情から、希望の進路をあきらめてしまう人も少なくありません。

しかし、高校に通わずとも、大学進学や資格取得の際に必要となる、「高卒資格」と同等の資格が持てることをご存知ですか?

ここでは、不登校からの選択肢のひとつともなる、高卒認定試験や高卒認定(高認)予備校について紹介していきます。

高卒認定とは何か?

高卒認定予備校って?

高卒認定とは、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)のこと。現在、中高生のお子さんをお持ちの保護者の方にとっては、「大検(大学入学資格検定)」といった方が分かりやすいかもしれませんね。

高卒認定試験は、大検に代わって2005年度から実施されいる国の検定試験です。
大検の合格者は、大学や短大、専門学校の受験資格が認められたのに対し、高卒認定試験の合格者は、進学や就職時に「高卒」と同等の扱いを受けられるようになった点が大きな違いになります。この変更によって、進学だけでなく就職にも役立ち、進路先の幅が大きく広がりました。

受験するのに制限はある?

すでに大学入学資格を持っている人を除いて、受験年度(翌年3月まで)に満16歳になる人であれば誰でも受験することが可能です。学力レベルや学歴、国籍などは一切問われません。
もちろん、不登校、ひきこもり、高校中退者であっても受験することができます。

また、大検とは異なり、高卒認定では、全日制高校の在籍者にも受験資格が与えられています。そのため、卒業に必要な単位が足りない、という場合にも高卒認定試験を活用することが可能です。ただし、合格科目を高校の単位として認めるかどうかは、学校長の判断となるため、事前に学校に相談が必要となります。

受験科目は8科目(9科目)

受験科目は以下の8科目。ただし、公民を倫理と政治・経済の2科目で受験すると、9科目になります。(以下の表記は、■教科―受験科目)

国語

国語 → 必修

地理・歴史

世界史A/世界史B → A・Bのうち1科目必修
日本史A/日本史B/地理A/地理B → いずれか1科目必修

公民

現代社会/倫理/政治・経済 → 現代社会1科目又は倫理及び政治・経済の2科目のどちらか必修

数学

数学Ⅰ → 必修

理科

理科総合/物理Ⅰ/科学Ⅰ/生物Ⅰ/地学Ⅰ → いずれか2科目必修

外国語

英語 → 必修

大検時代に必修だった「家庭」が受験科目からなくなり、選択科目だった「英語」が必修になりました。

修得単位を必ず確認しておきましょう

高校在籍者(不登校生)や高校中退者の場合は、修得している単位があることも多く、その単位は高卒認定試験の合格科目に振り替ることが可能です。そのため、在籍している・ 在籍していた高校にあらかじめ確認しておくとスムーズです。
また、科目免除に該当する技能検定資格(*)を持っている人なども受験の必要がない科目があります。
まずは、それぞれの状況を確認することが大事です。

(*)科目免除に該当する技能検定

(以下の表記は、■受験科目―検定名称/免除に相当する級〔実施団体〕)

世界史B

歴史能力検定/世界史1級又は世界史2級〔歴史能力検定協会〕

日本史B

歴史能力検定/日本史1級又は日本史2級〔歴史能力検定協会〕

数学

実用数学技能検定/1級、準1級又は2級〔財団法人日本数学検定協会〕

英語

実用英語技能検定/1級、準1級、2級又は準2級〔財団法人日本英語検定協会〕

全商英語検定試験/1級又は2級〔財団法人全国商業高等学校協会〕

国際連合公用語英語検定試験/特A級、A級、B級又はC級〔国際連合公用語英語検定試験〕

合格までの流れ

高認試験は、ほかの一般的な試験制度とは違って、一度の試験で合格・不合格を決めるものではありません。
合格・不合格は各受験科目ごとに決まります。最終的に、全科目に合格することができれば、”高卒と同等”と認められるわけです。

科目合格はいつまでも有効なので、一回の受験で合格できない科目があったとしても、次回以降の試験(*)で不合格科目をクリアしていけばいいのです。全科目合格に自信がなければ、まずは得意科目から確実に合格を狙い、苦手科目はしっかりと対策した後にチャレンジするといった方法も有効。学習面に遅れが生じていると心配している不登校生やひきこもりの方でも、じっくりと時間をかけて受験することができます。

(*)すでに合格している科目の再受験、合格に必要な科目数を超えて受験することは不可。また、高校の単位認定のための受験の場合も、試験科目数を超えて受験することはできません。

試験の傾向

学校の入学試験のように受験者同士が合否を競うものではなく、受験者一人ひとりの学力を認定するのが、高卒認定試験の目的です。各科目50~60%正解し ていれば、合格安全圏といえるでしょう。ただし、科目によって多少の差はあるので、50%を下回る正解率でも合格できるケースもあります。

出題は、設問に対して4~5の選択肢から選ぶマークシート形式。難易度が高い試験というわけではないものの、高校で学習する基本から重要な内容まで、出題範囲がとにかく広いため、自学自習でまんべんなくカバーするのは容易ではありません。

効率的に学習するなら高卒認定予備校を利用する

高卒認定予備校(高認予備校)とは、その名の通り、高認試験対策に特化した教育施設のこと。高認予備校と呼ばれる中には、通信制サポート校の高認コースなども入ります。

高認予備校には、大検時代から試験対策を行っているところがほとんど。長年蓄積してきた豊富な情報やノウハウを駆使して、効果的な学習指導を行っています。自学自習に少しでも不安があったり、短期間で学習成果を上げたい・・・ など、しっかりと学習計画を進めたいなら、高認予備校の助けを借りるのが近道です。

さまざまな高認予備校

高認予備校は、通学するタイプ、インターネットを活用するタイプ、デジタル教材(DVDなど)を活用するタイプ・・・ 色々な学習スタイルがあり、指導方針や校風もさまざまです。全国各地に校舎を所有しているところもあれば、大学受験コースを設置して、高認試験合格後の先 を視野に入れた学習指導を行うところもあります。

どのタイプを選ぶかは、個々の状況(不登校、高校中退など)、それぞれの学習計画(受験科目)や将来の目標(進路)によって違ってきます。学校を決める前に、学校見学会や説明会、個別相談などを利用して、直接確認してみましょう。

このコラムの著者

futouko-navi-logo不登校サポートナビ 編集部